誰も住まず税金ばかり垂れ流している実家、ほとんど利用されずに修繕費ばかりかさむ公共施設、借り手がつかずローンがのしかかる賃貸ビル....
アタマでは「どーにかしなきゃ!」とは思ってるけど、どーしたらいいのか分からない!って人がけっこう多いみたい。
そーゆー時は、「イニシャルコストをかけるのか、抑えるのか」と「市場価値を上げるのか、現状を維持するのか」を決めると考えが整理されます。
既存建物に手を加える時、そのスタンスは4つあります。
1.工事は高くても、とにかく市場価値をアップ
ひとつめはイニシャルコストをかけて、市場価値を高めるというスタンス。
該当するのはこんなこと
- 耐震補強をする
- 建物全体の間取りやデザインを一新する
- 高級な材料を使うなどにより、ハイスペックの建物にする
- 既存をぶっ壊して、建替えちゃう
これをやると工事費が高くつくけど、その分だけ利用してくれる人が増えたり、賃料をアップできたり、より高く転売できたりする可能性がグッと高くなります。
2.工事費を抑えつつ、市場価値はアップ
ふたつめは、イニシャルコストは抑えつつ、市場価値の向上をねらうというスタンス。
該当するのはこんなこと
- スペックの向上、新品への交換による価値向上ではなく、既存の良さを引き上げるようなデザインにする
- 需要のない用途から、需要のある用途に変える
- 見栄とか欲を捨てて本当に必要な最小限の工事で改修する
鍵となるのは、「市場で求められていること」と「既存建物のポテンシャル」を正確に把握すること。
だいたい、1番の方法に比べて工事に入るまでの企画・調査や設計の時間が長くなる、専門家の中でも特殊な知識・経験やスキルを持ったエキスパートと組まないと難しい、などがこの方法の特徴でもあります。
3.工事費をかけるけど、市場価値は現状維持
3つめは、イニシャルコストをかけて、市場価値はアップしないというスタンス。
該当するのはこんなこと
- 雨漏りの修繕をする
- 諸事情により建替えることのできない実家を、長寿命化させる
- 歴史的建造物を保存する
この方法が採られるのは、建物として最低限満たすべき性能が担保されていない状態の「修繕」や、既存建物を維持することそのものに意味のある「保存」などの場合の2つに分かれます。
4.工事費を抑えて、市場価値は現状維持
最後は、イニシャルを抑えるとともに、市場価値のアップも期待しないというスタンス。
該当するのはこんなこと
- ボロくなった部屋をリフォームする
- DIYによって壁紙を張り替える
旧くなったところをリフォームすることは市場価値がアップしそうに感じますが、そんなのは周りのどの建物でもなされていること。従って「やらなければ価値が下がる」のであって、「やったら価値が上がる」のではありません。
いちばんお金をかけないのは自ら施工するDIYですね。ごく小規模な建物であれば、趣味としてこれをやれる人はある意味最強かも。
自分のスタンスを
「どーしよう!」ってなった時や、将来的になりそうな時は、
- 市場での価値をアップしなければいけないのか、現状維持で良いのか
- 工事費をたくさんかけるのか、お金以外でカバーするのか
を考えると自分の目指すべき戦略が見えてくるです。
では、また!
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