再生建築の全てを解説するブログ

 既存を活かすからこその価値を😃

デザイナーズ集合住宅の過去・現在・未来 展

BLOGネタはいろいろあるんだけど、いつもナマけてしまう僕です。。

なので今日のことを今日のうちに書きます!!


今日は最終日で、特別にシンポジウムが行われました。
以下、概要をちょろっと。

【馬場正尊氏】
ここ最近、不動産業界では建物の評価体系が
性能評価(駅から〜m、〜平米、築〜年みたいな)から
変わってきている。
今はもうデザイナーズの集合住宅は第二ステージに入ろうとしていて、
デザイン対象が空間の外に拡張されている
共有、所有の形態、時間、職、エコノミックス、、、
というようなことを、事例とともに説明&紹介


【成瀬+猪熊氏】
都内のあるプロジェクト。
普通に集合住宅の依頼があったのだけど事業収支として厳しいことがわかり、シェアハウスを提案。
珍しい新築のシェアハウスということで、従来とは異なり立体的に散りばめられた共有スペースが出来ており、今までとは違った住み方が考えられていた。

2人のプレゼンの冒頭にあったように、
プログラム → 設計 → 使用 
という流れの設計だけを担うだけで良い時代ではなくなって、シェアハウスというプログラムやその中での住まい方までデザインされていた。


【大島芳彦氏】
住宅におけるパラダイムシフト。
絶対的な価値から、相対的な価値へ
ハードからソフトへ
物件から物語へ

現代の住人はそれぞれに物語を欲している。
そのことがブルースタジオの前提となっている考え方。

では共同住宅に集まって住むこととは?
それはどうやら物語の共有みたいだ。
住宅全体の物語に住人が参加し、共有していくこと。


リエーターの多い場所にはcriater's village
かわいい街並みの下北沢にはエーゲ海の見えそうな白い壁の家
…などなど、その場所や建物のコンテクストを読み取って物語を設定してあげると、それに反応した住人が集まって、共有して住む。





店員120人をかなり上回る来場者で、僕もずっと立ち見でした笑

この後の議論もけっこう盛り上がって、予定時間を大幅に超えて終わる頃には9時過ぎてました。。



今日のプレゼン&議論の中で感じたことは、

物語の必要性
です。

大島氏のプレゼンや篠原氏のコメントにあったように
(一般的に)住宅にそれぞれの物語が求められているのは、
現代人が自分の物語を各自の生活の中に見つけなくてはいけないからだと思います。



戦後の復興期や高度成長期のように日本に”大きな物語”があった頃には、
規格化された標準的な人間として国家の成長の一員になれば良かった。
国が豊かになることは自分の成長でもあり、両者は重なり合っていた。

今では国全体を動かすシステムが破たんして
(本当は先進国の脱近代化と新興国の近代化が21世紀の大きな課題だと思うのだけれど)、
住宅スゴロクの時代から、自分だけの物語を各個人が自分で探して見つける時代になった。



では、そんな時代に”集まって住む”ことはどういった意味を持つのでしょう?
大島氏の言うように物語の共有なのでしょうか。。
う〜ん。。難しい。


でもひとつ思うことは、
ゆるい繋がりが求められている
ということです。

SNSのような、気軽に参加できてすぐに抜けられるコミュニティ。
そんな軽さが必要とされていると感じました。
それが何故なのか、いいことなのかもまだ分らないけれど。