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再生建築のポイント2/耐震性の確保

これまでの話


再生建築のポイント1/遵法性の確保
再生建築のポイント1/遵法性の確保 その2


今回は耐震の話です。



昭和51年より前の建物はだいたい耐震性が足りていない


詳細は以前のエントリで紹介しましたが、
ざっくりいうと、昭和51年で建物の耐震基準はガラッと変わっています。
高度経済成長期なんかに建てられた建物は当時の耐震基準にあわせてつくられているため、
ガラッと変わった現在の耐震基準にあてはめるとかなりの割合でNGになります。



どんな補強をするのか


ほぼNGだとして、
本当にNGなのか?
どれくらい耐震性が足りていないのか?
どれくらい補強が必要になるのか?
とか、そういった解析する作業を耐震診断といいます。この耐震診断をもとに、
その建物ごとでベストの補強を考えます。

北九州市戸畑図書館

豊橋商工会議所



耐震補強工事は建築を生まれ変わらせる


耐震性を確保することで不動産的価値が高まることはもちろんですが、僕は
耐震補強というのは、既存の空間をもう一度じっくりと見つめなおす作業だと思っています。
数十年前は分からなかった、その建物がもつ魅力を発掘するような、そんな感じです。


一般的な設計事務所はコンサルなんかはよく
建物の内部にこんな感じの耐震補強をバンバン入れる提案をするんですが、
これって建物使えなくなっちゃいますよね...。


どうしてこういった提案が多いのでしょうか。



ぶっちゃけ、最初から耐震工事まで付き合うつもりないし(笑)


本音はこれです。こんな提案をする事務所はハナから補強するつもりはありません。
耐震診断して、耐震性が足りてませんよーと言って、お金がもらえればそれでOK。だいたいそんな感じです。

良くてこれくらいまでしかやるつもりもありませんし、
こんなのしか出来ないと専門家の間でさえ思われているのが現状なんですよね...。


もうちょっと建物をトータルに考えられる再生建築が浸透すれば良いなぁと心から思います。


以上、今回は

  • 昭和51年より前の建物はだいたい耐震性が足りていない
  • 建物ごとでベストな補強方法は異なる
  • 本来なら補強方法はオンデマンドに創られるべき

というお話でした。



では、また!