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アキヒロワタナベの再生建築について

 既存を活かすからこその価値を😃

空き家が資産となる時代ー自治体が高齢者を取り合う時代ー

建築/Architecture  空き家

人気ブロガーのちきりんさんが
「自治体が高齢者を取り合う時代」というタイトルで
興味深い記事を書かれています。


自治体が高齢者を取り合う時代 Chikirinの日記


以下、ちきりんさんのブログより引用

高度成長期には東京圏にだけ建設需要があり、地方にはそこまでの需要はなかった。だから建設現場で働くため、地方からどんどん東京に人が集まったでしょ。
あれと同じコトが、今後は医療&介護分野で起こりますよ。地方に客(高齢者)を呼び込めないと、働く人がみんな都会に行っちゃいますよ。大変ですよ。って話。

今や高齢者は「他の自治体に押しつけたい邪魔者」などではなく、
「貴重な人口ソースであり、今後の一大産業となる医療・介護業界の主要顧客」
として、都市部と地方の自治体が取り合いをする対象なわけです。

そういえば最近は「地方に移住する若者が増えている」みたいな特集をするメディアも多いけど、んなもん数としては“びびんちょ”(めちゃくちゃ少ないという意味の関西弁?)で、今でも東京中心部には、どんどん若い人が流入しています。
今回の資料集によると、2014年に東京 23区では 5万人以上も人口が増え、その大半が 10-29才の若者でした。東京の「若者を呼び寄せるパワー」は今でも圧倒的なんです。
それに、10年後(2025年)には 20代の人数が 1176万人なのにたいして、75才以上人口は 2179万人とダブルスコアに近い多さなんだから、人口減少に悩む地方の自治体が(来て欲しいのは若者だけ、などと言って)高齢者を無視するなんて、できるはずがありません。

そういう人達が何を求めているのか、彼らのインセンティブシステムを深く理解し、求められているものを供給する、そんなことができてる自治体なら、今でも衰退してないって気もします。

人口が減る地方自治体は、高齢者を取り込みたい&空き家をどうにかしたい


ちきりんさんが指摘する
”長年都会で暮らした高齢者が地方に移住するインセンティブを深く理解し、彼らに移住を決断させるための取り組みをしなければならない”状態にある地方自治体は、つまるところ人口が減っているところです。
このような人口減に頭を抱える自治体は、同時に空き家の増加にも頭を抱えていると考えられます。


本当でしょうか?


下記の表は、都道府県別の空き家率を示しています。
空き家率トップは山梨県。それ以外のトップ5には四国の県が勢揃いです。
四国すげえ。


*1


では四国や山梨県は人口が減少しているのでしょうか。


下記の図を見てください。これは、都道府県別の人口増減率を示しています。

*2


いずれも人口減みたいですね。
空き家が問題視され、空き家対策特別措置法が施行されたことは
以前のエントリでも書いたとおりです。その中でも
特に空き家問題が深刻そうなのは、人口が減っている地方自治体のようです。



地方自治体は空き家を資産とできるか


高齢者が移住する時、ハードルが高いことのひとつに、
家を見つけるのが難しいという点があげられるのではないでしょうか。
賃貸住宅に住もうにも、いかんせん高齢者は敬遠されがちなのは否めない。
今さらローンを組んで不動産を買うなんてのも非現実的です。


そこで、
四国や山梨のように空き家を多く抱える自治体は、
移住してくれた高齢者に空き家を提供すれば良いのではないでしょうか。
どーせ空き家なんてほっといても誰も入らないだから、何十年も放置してボロ不動産にするよりも、
タダででも住んでもらえたほうが管理の面からもマシなのでは…。


空き家をきっかけに高齢者を呼びこむことのメリット


高齢者が空き家に住んでくれると空き家の荒廃を抑えられると思いますが、
ことの本当のメリットというのは実はそんなことではないです。
それは移住してきた高齢者の行動をちょっと想像するだけで分かります。
たとえば…

  • 高齢者が移住してくれれば単純に人口が増えてモノやサービスがたくさん消費される。
  • 移住してきた高齢者の多くは医者にかかったり薬を服用するので病院や薬局は特に潤う。
  • 移住してきた高齢者の多くはいずれ老人ホームなどに入居する可能性が高い。
  • つまり将来的には介護の雇用も大量に発生する。
  • 大量すぎて老人ホームの建設需要さえ生まれるかも知れない。
  • もっと将来的には葬儀屋さんとかも...

といった具合です。


人口減に頭を抱える地方自治体にとって、
高齢者が移住してくる本当のメリットは
移住してきた高齢者がお金を落としてくれること。
そしてそこから若者の雇用が生まれること。


空き家を多く抱えるというのは、見方を変えれば
高齢者を引き入れる場所を既にたくさん持っている
ということでもあると考えられないでしょうか。


以上、今回は

  • 人口減に悩む地方自治体は、高齢者を取り込みたい&空き家が増えている
  • 人口減に悩む地方自治体は、空き家を提供することで高齢者を取り込めば良いのではないか
  • 人口減に悩む地方自治体は、移住してくれた高齢者に空き家を提供することで荒廃が遅延できる
  • 人口減に悩む地方自治体は、高齢者が移住してくれると経済が潤うし、医療・介護を中心に将来の雇用も生まれる

というお話でした。


では、また!

*1:統計局HPより

*2:統計局HPより