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【躯体調査】再生の設計前にすること


このブログでは何でもかんでも再生できると主張しているかのようですが、実は、ごくたまに建て替えるしかない物件もあります。


それらは大きく分けて

  • 躯体の状態が悪い
  • 法的に不可能
  • 事業的に成立しない

の3パターンです。


再生建築では、上記3点を重点的に検討し、再生できる建物であることを設計前にチェックしています。それは、どのようなことをするのか?今回は1つめの

  • 躯体の状態が悪い
  • 法的に不可能
  • 事業的に成立しない

について少しご紹介します。



どんな調査をする?


躯体の状態を把握するには、耐震改修促進法にもとづく耐震診断に必要な調査を実施することが多いです。
RCの建物の場合はおおよそ

  • コンクリートコア抜き調査
  • はつり調査
  • ひび割れなどの劣化調査
  • 不同沈下調査

などを行います。


コア抜きはこんな感じに進みます。
1.カッターでコンクリートに穴をある


2.コンクリートコアを抜き取る


3.無収縮モルタルなどで補修する


4.乾燥させて仕上げの補修をして、完成!



調査をする意義は?


まず1点目は、コンクリートの強度が保たれていることを確認するためです。コンクリートの強度というのは、人間でいれば骨の強さ・骨密度みたいなもん。いくら骨組み(柱・梁)が適切な寸法や位置関係にあっても、材料のコンクリートが弱すぎると、建物としては地震に耐えられないのです。
また、コンクリートの建物がかなり弱いものでも補強して強度を増すことは出来るのですが、必要な補強量が増えることから、建設費が高騰してしまします。結果的に建て替えるのとほとんど変わらないコストがかかってしまうみたいなことになると、事業的には採算が合いません。


次に2点目は、耐震診断を行う上で必要なデータを得ることです。耐震診断という一種の構造計算を行って既存建物の耐震性能を数値化するのですが、その時にコンクリート強度の情報が必要になります。



さて、今日は「建物が再生できるかを設計前に確認する」という視点から、「補強して使えるくらいに既存躯体が健全である」かどうかを確認する方法を公開しました。



では、また!



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