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新聞記事を送ってもらったよ

先日、ある方が日経新聞の記事を送ってくださいました。
まず記事の紹介から。


記事1:空き家の6割が破損

記事の内容をかいつまんでご紹介すると、

  • 国交省の調査によると、全国の空き家のうち、6割が朽ちたり破損しているとのこと。
  • しかも持ち主の3割以上は「今後も空き家にしておく」と考えているみたい。
  • 国としては、相続した住宅を耐震化して売却するときに税制面で優遇する、空き家対策特別措置法を制定するなど、いろいろと対応策を整えています。

という感じです。

増加している空き家が問題視されていることは以前もふれました。


記事2:アパートローンの増加

記事の内容はこんな感じです。

  • 「アパートローン」なる不動産担保融資が広がっている。
  • これは主に賃貸集合住宅向けのローンだが、中古物件の増改築も融資の対象になっている。
  • 銀行から個人大家に対する融資は前年比11%増で過去最高。今年の4月〜9月での融資額は1兆5000億円を超えている

賃貸の増改築が新たな融資対象となっている


この時期を送ってくださった方が、今年の8月に八千代銀行が「アパートローン]を開始してるととも教えてくださいました。この八千代銀行のHPでは、以下の事業が融資の対象とされています。

賃貸を目的とした物件に関する以下のご資金

  • アパート、貸家、賃貸マンション等、賃貸用住宅の新築、購入(中古物件含む)、増改築資金 (土地資金のみは不可)
  • 他の金融機関でご利用しているローンのお借換え資金
  • 上記に伴う付帯設備工事費用、火災保険料、保証料などの諸費用


しかも、融資期間は1年〜35年とのこと。
太字にもしましたが、賃貸集合住宅の増改築がローンの対象になっているのですね。


つまりこれは
賃貸の集合住宅で、増改築をするときに、長期の融資をするよということです。
新築や築浅でもないのに長期の融資を得ることはかなりハードルが高い印象だったのですが、そうではなくなってくるのかも知れません。

住宅着工件数が伸び悩んで過当競争になっている住宅ローンとは対照的ですね。



銀行たちは新築に代わる融資先を確保したい


賃貸物件の増改築が融資先になりはじめている背景としては、

  • 銀行たち→新築数が減って融資先の減ったので、新たな融資先をみつけたい!
  • 官僚たち→既存ストックの活用を後押ししなければ!

の2点が考えられます。

既存ストックの利活用を促進することで、国は空き家問題の解決や経済成長を促すことを考えているし、
銀行はそこに自分たちの新たなビジネスチャンスがあると目を付けている、
という感じですね。結果、既存を増改築して使うことが増える。



それを受けてどういったことが起こるかというと、ぼくは

  • ローンが残っているのに使い物にならない建物が増える。
  • 増改築したのに入居が少なく、ローンが返せない建物が増える。

のではないかと思っています。


銀行としてはとにかく新築に代わる融資先を確保しないと、商売あがったりです。
なので、本当に事業性があるかどうかは別としてとにかく融資するという事例が増えるんじゃなかろうか。
長期的にみればそれらが不良債権化するのではないかな、と思っています。


もとの記事によると、空き家を持ち主が取得した経緯をたどると、相続が過半を占めているそうです。
親の空き家を相続した(あるいはするであろう)ぼくたちは、
どんな事業をやるべきか(増改築、建替え、解体、売却)という判断力を養うことが必須になってくるでしょう。




では、また。



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