用途変更して保育所・幼稚園・託児所にするのって難しいんですよね。
下記は都内のビルに入居する幼稚園の計画イメージです。ウチで設計やらせていただいています。
用途が何に該当するのか、バリアフリー関連の規定にどう対応するか、もういろいろと議論しました。
ビルの中の幼稚園☺︎:#イラスト #illustration #絵
年明けから再三に渡って「既存ビルに保育所を入れよう!」といった内容を書いてきたのですが、最近それを実行した事例を見学する機会に恵まれました。
内部☺︎某新建築では前作が「茶色と白」派のひとつとして扱われてたけど、茶色も既存とは限らない。今回も同じ☺︎色んなアイレベルがある。
<目次>
企業主導型保育所
これは内閣府が「企業が保育所をつくるのをサポートするばい!」という主旨で行っている事業です。今回のプロジェクトではこの事業に採択されることで、色んなメリットを受けているそうです。
参考:企業主導型保育事業の概要 - 子ども・子育て支援新制度 - 内閣府
ざっくり言うと自社で働く子持ちスタッフが子どもを社内に預けるためにつくる保育所、というイメージのようで、夜間・土日の預かりや、短時間とか週2日だけの預かりなど、色んなサービスに対応できるみたい。
子どもの育成にあわせて預ける時間(と反対に働く時間)を少しづつ調整できそう。最初の1年は完全に育休、2年目は週2日だけ働いて、3年目は週のうち2日はフル出勤・2日はフル子育て・残りの3日は午前だけ働くとか。
認可施設並みの助成!
何と言っても開業と運営について認可施設並みの助成が受けられるというのがこの事業の最大ポイント。
この保育所でも、開業資金の75%を助成金でまかなっているそうです。1/4しかお金出さなくて良いってスゴい。その上運営費用もちゃんと助成してもらえるそうで、保育料は認可施設と同じレベルにしているとのこと。
保育所なんて正直儲かる事業じゃないんし何とか認可を受けて国から助成をもらってトントン...って感じのところが多いので、こんだけ手厚く保護してもらえるなら利用するしかないのでは。
広い範囲の子どもを受け入れられる
自社のスタッフだけが子どもを預けられるのかと思いきや、自社のスタッフ以外からも子どもを預かることができる点が素晴らしい。
企業保育所だから必然ではあるけれど、他の地域の子どもの受け入れができることも経営的にはメリットです。
これなら「社内にワーキングマザーがたくさんいるし、開業と運営の費用を負担できる」っていう大企業でなくてもチャレンジできます。中小企業でも、いつくかが集まってお金を出し合い、お互いのスタッフ(と社外の親)から子どもを預かればいい。
事業の特徴
企業主導型保育事業の概要 - 子ども・子育て支援新制度 - 内閣府より
- 働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できます。
- (延長・夜間、土日の保育、短時間・週2日のみの利用も可能)
- 複数の企業が共同で設置することができます。
- 他企業との共同利用や地域住民の子供の受け入れができます。
- 運営費・整備費について認可施設並みの助成が受けられます。
建築基準法のハードルも下がってきた
保育所に限らず、既存ビルの用途変更でほぼ必ずぶち当たる壁が「既存不適格をどう圧扱うか」。今回見学させていただいた物件も、既存建物が違法でないことを証明するためにあの手この手で役所と調整をしていました。これはもうやったことある人にしか分かってもらえない所かなーと思いながらこうやってブログ書いてます。
法的なハードルを超えられず、事業的には良い物件でも
- 検査済証がなかった
- 用途変更の申請が難しすぎる
- バリアフリー化すると費用がかかりすぎる
といった理由で流れちゃったプロジェクトは数えきれないくらいあるのではないでしょうか。ただ、最近だと東京なんかで小池知事や世田谷区長が頑張っていて、検査済証なしでも用途変更ができるようになったり、バリアフリー化が免除になったりしているみたいです。
こちらの保育所も、エントランスのスロープなどバリアフリーを免除してもらっていました。子どもなんだし抱っこして連れて行けるやろ!というスタンスですね。
既存不適格の証明さえできれば、過去にダメだった物件で最チャレンジなんてことも夢ではないんじゃなかろうか。もっとほかの記事を読みたい方はこちらからどうぞ。
設計担当は大学院でお世話になった雨宮さんとそのお友達の照内さんです。とても良い方なので保育所を作りたい方はぜひご相談を。あ!もちろん僕でもウェルカムですw
では、また!
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