再生建築の全てを解説するブログ

 既存を活かすからこその価値を😃

ヨーロッパ旅行シリーズ1

こんばんは。
今日からヨーロッパ旅行の感想シリーズです。
第一弾は、パリとノートルダム


西ヨーロッパの風土
仮にパリを西ヨーロッパの典型的な気候だとすると、西ヨーロッパの気候は「薄暗くて、かすんだ、淡い空気」というのが俺の印象だった。



空は正に中世の画家が描いたような絵画そのままだった。彩度の低い、乾燥した空気の中で少し灰色がかった霞んだブルー。いつも雲が空一面を覆っていているからだろう(山脈のせい?)、日光がよく通らずに空気中で拡散している。おまけに太陽高度が低いもんだから、ずーっと薄い霧が立ち込めているようにさえ感じられる。直射日光なんて結局お目にかかれなかった気もする。




ノートルダム

鎧のように硬い外部と、森のように艶やかな内部
一言でいえばそれに尽きると思う。



現地についてまず、その圧倒的な大きさに何とも言えない感情を抱かずにはいられなかった。1つ1つ石を積み上げ、彫刻を施す。1000年も前に人の手がこれを作り上げたなんて、奇跡以外の何物でもない。
まるで巨大な1つの彫刻のようにも思えるし、なんだか鎧を身に纏った騎士のような雰囲気も漂わせている。それは乾燥して陰鬱な外界に対峙して、何かを包んでいることを感じさせる雰囲気だった。明らかに外界からなかをな守っているような。。何が人をこうさせたんだろう・・・。

だが、1歩その鎧の内側に入ってみるとそこには全く別の世界が広がっていた・・・。





滑らかで潤った優しい内部。
スーッと伸びた、植物のような柱。それが紙みたいに薄く感じられる壁にぴたっと張り付いている。どちらもあの鎧のような、ゴツゴツした同じ石で出来たものとは思えないくらいにやわらかく潤っている。互いが絡み合って出来た洞窟の中にいるような感覚だった。石というよりも、まるで森の中にいるような気さえしてくる。

大きなステンドグラスからは、白い天からの光が神様からの救いのように流れ落ちてくる。また下からは蝋燭の暖かい橙色の光が、それこそ火のように立ち上がって天井を照らしている(本当は人工照明があるのだけれど)。2つの光の交錯がそれぞれ異なる表情と効果を発揮ていて、この特別な空気をつくっているのだ。


そんな中を、中で生じた全ての音が響き合う。残響時間がとても長いのだ。足音、話し声、息づかい、いろんなあらゆる音が反射を繰り返して身体に沁み込んでくる。大きな何かに包まれながら、その一部になったような感覚になった。空間のスケールを感じさせる点では、聴覚は視覚と同じくらい大事だ。


陰鬱で乾燥した外界に対して、まるで敵から身を守るための鎧のように対峙する外壁と
2つの光が交錯しながら隅々まで反射した音が身を包む、滑らかで瑞々しい植物で出来た森のように潤う内部

この正反対の表情が同じ石で作りだされていること
たぶん西欧の人の(特に中世の)世界観を感じさせてくれるところがとても感想的でした。


それでは、今日はここまで。