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レビュー:「ショーシャンクの空に」

ずっと前に下書きしたままの記事をみつけた。


素晴らしい映画を見たので紹介。
ショーシャンクの空に」という映画です。第67回アカデミー賞で7部門でノミネートされている作品です。

ショーシャンクの空に [DVD]

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■ストーリーの概略は以下。
1947年、銀行員として成功していたアンディ・デュフレーンは、妻とその愛人を射殺したという罪で終身刑2回という判決を受け、ショーシャンク刑務所に投獄される。刑務所が持つ異質な雰囲気に初めは戸惑い孤立するアンディであったが、決して希望は捨てず、明日の自由を信じ続ける。
そんな中「調達屋」と呼ばれ服役囚たちから慕われていた囚人、”レッド”ことエリス・ボイド・レディングと出会い、鉱石を砕くロックハンマーや、リタ・ヘイワースラクエル・ウェルチといったスター達のポスターなど様々な物を調達してもらううち、少しずつ2人の交流が深まっていく。アンディは元銀行員の経歴を遺憾なく発揮し、刑務所内の環境改善に取り組む事でレッドや他囚人からの信頼を高めていく。さらには刑務官たちからも一目置かれるようになり、彼らの税務処理や所長の所得隠しまでも請け負うことになるが、アンディにはある考えがあった。
その後、年老いたレッドは数十年の服役ののち仮釈放されたものの、社会に順応出来ずにいた。不安と孤独から希望も見出せず、仮釈放後間もなく自殺してしまった老人・ブルックスとまったく同じような状況に追い詰められるが、ふとアンディとの約束を思い出す。(wikipediaより)

■希望を持つこと
多くの方がおっしゃっているように、この映画からは希望の力を教えてくれる。見ているだけでも胃が痛くなるような囚人生活の中をアンディは生き抜く。それはメキシコの海岸沿いでホテルを営むという希望に支えられたからだった。彼のように希望を持ちさえすれば、どんな苦境に陥っても頑張ることが出来る。勇気をもらった、というのが多くの方の感想でしょう。それには心から賛成する。

ですがこの映画はもう3つ、大事なことを教えてくれる。

■ビジョンは具体的であること
ビジョンとは、夢がかなった状態です。これが具体的に想像できていることが重要。自分は何を望んでいるのか?それを成し遂げたら(ゲットしたら)、今の自分とはどう違うのか?それは自分が本当に望んでいるのか?それは自分にとってどうハッピーなのか?
ブルックスは解法尺されたものの、社会で何をどうすれば良いか分からず、自分の命を絶った。本当は社会に出たいのではなくて、社会に出て何をしたいのかを考える得るべきであったのではないか、と思う。これは出所自体が目標になった場合に陥る状況だろう(彼はむしろ出所したがらなかったけれど)。手段の自己目的化。

■戦略を持つこと
ビジョン(希望の叶った状態)が決まれば、それを実現するためにステップアップが必要です。いつ、どんなステップを、どうやって上っていくか?


自分のポジションと脱出後の身の安全(偽装した身分と国外逃亡)とお金を20年かけて作り上げた。自分のスキルを活かして未来の自分を組み立て、積み上げた。ある意味、何の蓄積もない普通の仕事をこなすだけよりもいい(自由はなかったけれど)。


■結果=知識×想像力
自分が正義、体制の側で何もしないで金が転がり込んでくるというわけではない人は

たとえば、ビールをゲットする場面では
・家族であれば6万ドルまで非課税となること
・書類の作成法
という知識と
・奥さんに譲渡するには面倒な手続きと弁護士費用が必要になるであろう
という想像力が
主任を助け、自分と仲間は仕事を休憩してビールにありつく
という結果をもたらしています。
こうやっていつずつ結果を残すことでステップを踏み、ステップを踏むことで目標に到達する。










■常に真実が勝つわけではない
何だかんだ人間、自分の利害と感情が行動の要因です。それ以外(たとえば使命感)の要因で行動できる人はごくわずかしかいません。それにそのような人たちも、利害と感情以外の動機が当てはまるケースはごくわずかです。
ある建物が建つのは、それが正しいからとかそんなことではなくて、その建物の建設によって得する人と損する人とその建物が好きな人とムカつく人がいるからです。
援助交際が成り立つのは、経済的には損する(高いお金を払う)けれども感情は満たされる(JKとニャンニャンできる)と、感情的には嫌悪感を味わう(オヤジにニャンニャンされる)けれども経済的に満たされる(高いお金をもらう)というようにお互いの感情と利害が一致しているからです。利害と感情の交換が可能だからです。これがニーズの一致です。
みんなが自分の利害と感情を満たすためのポジションをめぐってパワーゲームを繰り広げる。社会はそうやってまわっているのだ!で、パワーゲームに勝った者が正義を掲げるのです。程度に差はあれ、正義は体制の側に都合のよいシステムになっているもんです。

映画の中でも真実は一つだけれど、誰もそれを必要とはしていない。事実は正義によってつくられる。アンディは無実の罪だったのだけれど、投獄されている間はそれを晴らす手段はない。途中、真犯人を知っているトミーとであったけれども、真犯人の公開を望まない所長によって殺されてしまう。所長と言う正義に事実はつくられていた。





■まとめ
 希望:ビジョンを明確にすること
 戦略:ビジョンを実現するために踏むべきステップを設定すること
 結果:ステップを踏むには目の前の結果を出すこと。そのためには知識と想像力をフル活用すること