再生建築の全てを解説するブログ

 既存を活かすからこその価値を😃

再生建築のメリット

今日は勤務先で他のスタッフが担当している物件の現場を見学。築約40年の木造住宅の耐震改修プロジェクト。



将来的には日本の住宅も欧米社会のように長寿命化するだろうと思われる。
巷にはリフォーム、リノベーション、コンバージョンなど、新築ではない建築を指すいろいろな言葉が定着している。
少し前ではリノベーション住宅なんて一部の特殊な人だけのものだったけれど、若い人を中心にもはや再生建築は一般的にも受け入れられ始めているのではないかと思う。



そんな、再生建築が一般的になりつつまる今日このごろ、このプロジェクトを含めウチの事務所では
既存の躯体を活かして残りはほぼ全部を一新してしまう
耐震補強を施す
という設計をしている。


どういうことかもう少し考えてみる。建物は簡単に考えると、躯体、設備、仕上の大きく3つの要素で構成されている。人間に例えると骨、皮膚、内蔵という感じだ。少々ガタがきた身体に筋トレをして、肌の化粧をし直して、内蔵をキレイにすれば、まだまだ現役でバリバリやれる、というような感じだ。


どうして新築ではなく、わざわざ再生させるのだろう。再生建築のメリットはいろいろあるが、どのプロジェクトにも共通しているのは以下。

・工事費が安い
・工期が短い


■工事費が安いおおざっぱに言うと、建物を建てる時に必要なお金の割合は
躯体30%、設備30%、仕上30%、経費10%
となる。

ウチの事務所のプロジェクトでは既存の躯体を活かして工事するため、工事費が新築の70%で済む。


■工期が短い当たり前だが、建物の工事中はその建物は使えない。(実は居ながら工事という裏ワザがあるのだが。。)
このプロジェクトでは既存の躯体を活かして使い続けるため、
既存躯体を解体したり、新しく作ったりする時間を節約できる。

住宅であれば早く住むことができるので、仮住まいの家賃を払う期間が短くなるし、
テナントビルであれば早くリーシングできるので、投下した資金を早く回収できる。


ところで、欧米に比べて日本の建物の寿命は本当に短い。どれくらい短いかというと、住宅の寿命は日本30年であるのに対し、ドイツ79年、アメリカ103年、フランス86年、イギリスに至ってはなんと141年(!)と言われている。(ココより


次回はこのこのことについて書いてみようかな。