トークセッションの内容から再生建築に絡めて考えたこと。
再生建築にちょっとだけ絡めてみる。日本ではいま、高度成長期に建設された大量の既存ストックが一斉に更新期を迎えている。僕ら世代がこれらを全部壊して立て直すなんてとても無理な話だ。壊しても壊しても、作りなおしても作りなおしても、それ以上に大量の建物がどんどん老朽化していく。
— 渡邉明弘@再生建築 (@Akkun_Nabechan) 2015, 5月 18
日本に比べてゆっくりと近代化が進んだヨーロッパではこんな状況は経験されてないんじゃないか。とすると、人口減の時代にどう既存ストックに対峙するか?という問題が和製ビッグネスになるのかもしれない。そしてそれは数十年後のアジア各都市で起こるだろうビッグネスの第一号なんじゃないかな。
— 渡邉明弘@再生建築 (@Akkun_Nabechan) 2015, 5月 18
これは北九州市なんかにもの凄く当てはまるんじゃないかと思う。理由は急激な人口増加の後の人口減少を迎えているからだ。
何もなかった村に近代化の象徴である旧八幡製鉄所を作ってわずか数十年で100万都市となり、雨後の筍みたいにバンバンビルが建った。社会が成熟して高度成長期が終わった頃、建物が一斉に老朽化し始めている。けれども今の20代〜30代の人口は、人口は減ってる上に、職人のなり手は居ないわ、職人も東北の復興や福島の廃炉に行っちゃうわで、既存の建物を全部壊して建てなおすなんて到底できない。(北九州市は政令指定都市の中で最も高齢化率が高い)。自分たちでは抱えきれない量のストックが一斉に老朽化しつつある。
「急激な人口増加を経験した都市は人口の減少も急激なものになり、現役世代が手に負えない量の既存ストックを抱えるようになる」とすれば、これが日本が経験しているビッグネスなのではないか。そしてその最たる例が北九州なんじゃないか。
南後氏は何かを作らなくてはならないという縛りからコールハース氏が建築家を開放したと指摘し、コールハース氏は作ることと壊すことが建築家の職能はであると示した。それに加えて、残すことも建築家の大事な職能にならないかなー。以上!
— 渡邉明弘@再生建築 (@Akkun_Nabechan) 2015, 5月 18
先日ある人から「社会課題=資産」という考え方を教わったのだけれど、こういったアジア型のビッグネスは、数十年後にアジアの各都市で起こる問題だろう。一人っ子政策&不動産バブルの中国とか日本とは比べ物にならないXXLクラスのアジア型ビッグネスに襲われるんじゃなかろうか。そんな時代が来た時に、北九州市なんかが既にその問題を乗り越えていれば、再生都市のモデルとして自らを売り込むことが出来るだろう。そんなことを思った。