再生建築の全てを解説するブログ

 既存を活かすからこその価値を😃

再生建築のメリット(10)総合的に工事することでしか出来ない工事がある

これまでの話


 新築じゃない。でもリフォーム・リノベ・コンバージョンでもない、僕の仕事について
 リフォーム、リノベーション、コンバージョンと違うトコロ
 1)内外装ともに新築同様の仕上がりにできる
 2)新築の70%の予算でできる
 3)用途の変更ができる
 4)旧い建物でも耐震化させて安全にできる
 5)廃材がでないのでエコ
 6)新築では作れない形態にできる
 7)価値のある遺産を残すことができる
 8)テナント・居住者が居ながらで工事ができる
 9)ボロ物件を転売できる不動産にできる その1
 9)ボロ物件を転売できる不動産にできる その2


ここ数年でリノベーションやコンバージョンといった言葉が市民権を得つつあると思います。



建物の耐震化率は何だかんだ8割を超えており、国は東京オリンピックまでに耐震化率95%達成を目標にしています。(耐震化率の進捗についてー国交省




バラバラに行われる工事

これらの改修工事に共通していることとして、


「各工事がバラバラに実施されている」


ということがあります。耐震工事だけ、仕上げの化粧直しだけ、設備配管の交換だけ…というように、その都度その都度で対症療法的に必要な工事だけがバラバラに行われています。


修繕積立費を無駄に浪費するだけの工事

この傾向が特に顕著なのは分譲マンションです。管理組合の規約などにより共用部の工事を行うには合意形成が容易でないということもあり、古い分譲マンションでは毎年のように細かな工事が断続的に続いていることが珍しくありません。
このような分譲マンションでは、その工事ごとに管理会社や施工会社に経費を搾り取られているのですが…。


単発工事のツギハギでは出来ないことがある

各工事ごとは最適解だとしても、それらが積み重なると、使いにくかったり美観上よろしくなかったりすることはままあります。リフォーム・リノベーション・コンバージョンはだいたい以下のように耐震、意匠、設備の工事を別々に置こうもしくはせいぜい3つのうち2つを同時に行う、というパターンが多いように思います。


ある時期に意匠の工事(例:外壁タイルの張替え)を行い...


次の年に設備の工事(配管の交換と高架水槽の撤去)を行い...


次の年に耐震の工事(耐震補強)を行い...


全国の分譲マンションって、こんな感じで大規模修繕や耐震補強工事をしているのではないでしょうか?



すべての工事は互いにつながり合っている



本来、建物は色々なモノが複雑に絡み合っているので、ある程度の規模以上の改修であれば、もう建物全体に影響が及ぶからです。単発で工事を繰り返すよりも無駄な費用を掛けずにすみます。


分譲マンションに例えるとこんな感じになります。
 ↓
耐震補強を行う → 耐震補強工事
 ↓
それによって外部足場が必要となる(当然これにもお金がかかります)。
 ↓
どうせ足場を設置するなら外壁タイルの交換もできる → 意匠上の工事
 ↓
外壁タイルの交換をするなら躯体の点検・補修もできる → 耐震補強工事
 ↓
新築依頼更新されていない給水システムを更新 → 設備工事
 ↓
既存の高架水槽を撤去すると、耐震的にも有利 → 耐震補強工事



全ての工事をまとめて済ませること

すべての工事が互いにつながり合っているのならば、大規模修繕や耐震補強工事は

  • 意匠上の工事(外壁タイルのはりかえ、防水の更新など)
  • 耐震補強工事(躯体のひび割れの補修も含む)
  • 設備工事(配管の更新、消防設備などの抜本的な更新など)

をいっぺんにまとめて行うことがベストだと考えます。


ざっくりいうと...

この状態から意匠、耐震、設備の工事をいっぺんに行い...

 ↓


全部生まれ変わらせる。無駄な経費もかからないのでお得です。


概念的には下図で3つの円が重なり合っている部分のような工事になります。これを僕は再生建築と読んでいます。ちなみに、

  • リフォーム、リノベーションは意匠(or意匠+設備)のみを行う工事
  • 耐震補強は耐震のみを行う工事

と理解できますね。

では、また!