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藤本壮介展 未来の未来

藤本壮介展に行ってきました。


藤本壮介展 未来の未来



建築の展示会とか言いながら、
模型台に貼られたキャプションには
「まだ建築になりきれていない」とか、そんな言葉が多く並んでいたのが印象的でした。


それらの模型の多くは、
スポンジをポンと置いてみたり、洗濯バサミを互いにかみ合わせてみたり、
ハコや家形を積み上げてみたり、そいういったモノにとりあえず
人型の模型をちょんと乗せている、ただそれだけです。





建築を設計するうえで、どうしてこんなことをしているのでしょうか?



それはたぶん、
ある目的のために最適なモノとモノの組み合わせを考える(つまり従来の設計の仕方)ではなくて、
とりあえずモノがある状態を眺めて、そこから想像力を働かせる
ということをしているからだと思います。
そのスタンスこそが展示展示されていたのだと僕は解釈しました。


いろんな模型が、サイズも、素材も、プロジェクトも、
用途も、設計の進行具合も、全てがバラバラなまま、
画面上のアイコンみたいにフラットに並べられています。

たぶん、全てのアイディアが、ある目的(使われ方)を想定して生み出されたわけではないため、
ひとつのアイディアは等価に全てのプロジェクトに関わる可能性を持っているのだと思います。


コルビジェが「住宅は住むための機械だ」と言い、
ある目的のために最適なモノをつくることが時代の要請であることを説いた。
住宅であれば、「住む」という目的のために、
ベストな寸法・素材・工法などを選択して組み合わせる。
それはちょうど「人を乗せて走る」という目的のために、
ベストな寸法・素材・工法などを組み合わせて作られた、車のような作り方です。


でもそれは、
「いま」の要求を満たしてはくれるけれど、その要求は明日には無くなっているかも知れない。
そうでないにしても、人の要求の寿命は、ほとんどの場合、建物のそれよりも短い。
それに、「いま」の要求だって、はっきりと定まっていなくてもやもやとしていることだって多い。


そういった、
「いま」にとって最適なモノをつくることの無意味さ
みたいなものを感じた展示会でした。


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建築が生まれるとき

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