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再生した中古ビルでローンを組む

再生建築でも長期のローンは組めます!
というお話です。



先日のエントリで紹介した案件では、
「再生した中古ビル新築並に販売された」ということを書きましたが、
この建物のポイントはそれだけではなく、
新築のように長期のローンを受けている
という特徴があります。



中古ビルで長期のローンが組めないわけ


理由は「建物の寿命が近づいているから」です。
残り少ない寿命の建物には短期間しか融資しない。当たり前です。


建物の寿命は、「耐用年数」という言葉で定義されており、
たとえば”RC造の住宅であれば寿命は47年ばい!”
というように定められています。


ですが、この耐用年数は建物の物理的な寿命と一致しているわけではないのです。
つまり、耐用年数を経過したからといってその建物が壊れるとは限らないということです。


本当のコンクリートの寿命はもっと長いと言われており、
実際、古代ローマの建物は2000年以上を経た今でも現役です。



建物は耐用年数よりもっとながい寿命を物理的にもっているとして、
じゃあどうやって融資を引き出すのか?



融資を引き出すしくみ


繰り返しですが、
残り少ない寿命の建物には短期間しか融資しない。
当たり前です。


そこでこの案件では、
第三者審査機関に依頼して、物理的な耐用年数を50年と推定しました。


詳細はもの凄く長くなるので省きますが、
税法上の耐用年数の残存年数が7年の建物の耐震改修費について、
事業者は金融機関からの融資を受けることができています。


また、
エンドユーザーはFLAT35と金融機関の住宅ローンを利用できる計画にもなっています。
実際にこれらを利用して、竣工時には全戸完売しています。



りそな銀行さんと業務提携もしているのです。



以上、今回は

  • 建物の物理的な寿命は耐用年数よりもながい(と言われている)
  • 物理的な寿命を確認することができれば、長期の融資を受けられる可能性がある


というお話でした。


では、また!



新建築8月号に掲載されています

新建築2014年8月号

新建築2014年8月号


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