再生建築でも長期のローンは組めます!
というお話です。
先日のエントリで紹介した案件では、
「再生した中古ビル新築並に販売された」ということを書きましたが、
この建物のポイントはそれだけではなく、
新築のように長期のローンを受けている
という特徴があります。
リファイニング建築のすごさを見た 「千駄ヶ谷緑苑ハウス」完成 (RBAタイムズから) :日経住宅サーチ http://t.co/Ji3WAUiBlx pic.twitter.com/RNKn73dHVF
— 日経住宅サーチ (@sumai_nikkei) 2014, 3月 25
中古ビルで長期のローンが組めないわけ
理由は「建物の寿命が近づいているから」です。
残り少ない寿命の建物には短期間しか融資しない。当たり前です。
建物の寿命は、「耐用年数」という言葉で定義されており、
たとえば”RC造の住宅であれば寿命は47年ばい!”
というように定められています。
ですが、この耐用年数は建物の物理的な寿命と一致しているわけではないのです。
つまり、耐用年数を経過したからといってその建物が壊れるとは限らないということです。
本当のコンクリートの寿命はもっと長いと言われており、
実際、古代ローマの建物は2000年以上を経た今でも現役です。
ローマ遺跡は結構街のいたるところにある!コロッセオは夜はライトアップされてて大迫力!中の床の部分は一部分だけ再現されてるんやけど、迷路みたいに見えてる部分は全部地下やってんて!2000年も前のものがこんなに大きく残ってるのはすごい! pic.twitter.com/nNkF0DBzJF
— 生粋 (@boc_co4) 2014, 9月 14
建物は耐用年数よりもっとながい寿命を物理的にもっているとして、
じゃあどうやって融資を引き出すのか?
融資を引き出すしくみ
繰り返しですが、
残り少ない寿命の建物には短期間しか融資しない。
当たり前です。
そこでこの案件では、
第三者審査機関に依頼して、物理的な耐用年数を50年と推定しました。
詳細はもの凄く長くなるので省きますが、
税法上の耐用年数の残存年数が7年の建物の耐震改修費について、
事業者は金融機関からの融資を受けることができています。
また、
エンドユーザーはFLAT35と金融機関の住宅ローンを利用できる計画にもなっています。
実際にこれらを利用して、竣工時には全戸完売しています。
りそな銀行さんと業務提携もしているのです。
「りそな銀行、「建物再生建築」で業務協定」 http://t.co/YBrcNmIU "りそな銀行は7月31日、建物を取り壊さず大規模に改修する再生手法「リファイニング建築」を展開する青木茂建築工房(青木茂主宰=首都大学東京戦略研究センター教授)と業務協定を締結する。"
— 日刊旧建築 (@alterbau) 2012, 7月 30
以上、今回は
- 建物の物理的な寿命は耐用年数よりもながい(と言われている)
- 物理的な寿命を確認することができれば、長期の融資を受けられる可能性がある
というお話でした。
では、また!
新建築8月号に掲載されています
- 作者: 株式会社新建築社
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