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1300年前の本をサクッとー本当に読みやすい日本書紀

ー読みやすい語り言葉で綴られた決定版現代語訳!ー
そう言ってるのは表紙の帯だけで中身は何語かも分からない。古代書物の訳本はそんなのが多いこと多いこと。
もし、「日本中の人が知っているのに誰も読んだ事がない本ランキング」があったら、古代書物の訳本は軒並みは上位にランクインするだろう。
とにかく分かりにくい。



今日はそんな難しくて意味不明の訳ばかり出てくる古代書物の訳本の中から、現代の一般人な僕らにもスッと理解できるオススメの本を紹介します。

日本書紀〈2〉 (岩波文庫)

日本書紀〈2〉 (岩波文庫)


この本が僕らのような読者層に対して工夫してくれているのは以下です。
・歴史書ではなく物語りとして
・登場人物の名前
・現代の日本語で書いてくれる
家系図



■歴史書ではなく物語りとして
この本の最大のポイントといっていいところ。他の本があまりにも原文に忠実な訳をするあまり、かえって現代の日本語とはかけ離れてしまうのはよくある話。天皇家やその祖先の神々について記した歴史書としての正確さは保証されるけど、辞書や注釈を片手に解読するなんてもはや訳してる意味ないよね!
それに対してこの本では、ストーリーが頭に染み入るくらい自然な日本語でストーリーが語られる。「むかしむかし・・・」から始めてもいいくらい。



■登場人物の名前
ストーリーを分かりやすくするために重要なのが登場人物の名前。古事記日本書紀に登場する神様たちは、やたら名前が長く、複雑で、名前がいくつもあったりする。さらに名前がその能力や役割や実績を表していることが多く、重要人物なのに大業な名前で分かりにくかったりする。


例えばこれ↓初代天皇神武天皇を生んだとされている神様の名前です。
天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命(あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえず)
もう長すぎてわけ分からん


この本ではどの神様もカタカナで表記されていていることで、気合いを入れて文字と格闘する難しい歴史書から、サクッと読める物語にぐっと近づいている。



■現代の日本語で書いてくれる
単純だけど重要。ここまで現代の日本語で分かりやすく訳してくれてるものもなかなかない。


1300年も前に書かれた本がたったの3500円くらいで読めちゃうのってよくよく考えるともの凄いよね。せっかくぶっちぎりで世界一の歴史を持つ王室のある国に生まれ育ったのだから(皇室は少なくとも6世紀以前に遡り、2位のデンマーク王室は10世紀に始まったらしい)、読まないのはもったいない!