前回エントリに続いて、特定緊急輸送道路の沿道建築物についてです。
9割は耐震化が完了
前回エントリでは
- 東京都の目標 :H27年度(つまり今年度!)末までに特定緊急輸送道路沿道建物の耐震化率100%
- 実際の進行具合:H24年2月末の時点での特定緊急輸送道路沿道に建物の耐震化率は81.3%
→今ではもうちょっと進んで9割程度は耐震化している(だろう)
という旨のことを書きました。
残りの1割の人はどうするのか
いろいろな理由がオーナーさんごとにあると思いますが、
最終的にはおそらく強制的にでもやらさせることになると思います。
こんなことになったらたまらんからです。
すみだ区報 2009年4月21日号より
この写真がヤバいのは、建物が倒れていること『だけ』ではありません。
本当にヤバいのは、倒壊した建物が大きな道路をふさいでいることなのです。
倒壊した建物が道路をふさいでしまうと、一刻をあらそう状態のけが人を運べなかったり、
復興を支援するための救援物資を運べない状態になってしまうのです。
そういった事態を避けるために、
都は震災時に避難や救急・消火活動、緊急物資輸送の大動脈となる幹線道路を特定緊急輸送道路として指定しています。そして万が一の時にはこれらの道路が有効に機能するよう、道路と沿道建築物の耐震化を進めています。
従わなかったら罰則もあるよ
そんな背景もあり、特定緊急輸送道路の沿道にある建物については、
「建物が倒れて中の人や周辺の人が傷つかなければいい」というレベルの問題ではなく、
「震災直後にすぐさま避難・消化・物資運搬をはじめられる都市にする」という話なのです。
従わなかったら罰則もあります。以下、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例による、具体例の一部です。
(沿道建築物の耐震化に関する指導及び指示)
第十一条
2 知事は、震災時における救急消火活動、緊急物資の輸送及び復旧復興活動を支える緊急輸送道路の機能を確保する上で、沿道建築物について必要な耐震診断が実施されていないと認めるときは、当該沿道建築物の所有者に対し、期限を定めて、耐震診断を実施するよう必要な指示をすることができる。
【要約】
特定緊急輸送道路の沿線にあって、必要な耐震診断がなされていない建物については、都知事からオーナーに対して耐震診断をするよう『指示』します。ちゃんと期限も付けますよ。
(特定沿道建築物の耐震診断実施命令)
第十三条 知事は、第十一条第二項に規定する指示を受けた特定沿道建築物の所有者が、当該指示に係る期限経過後も、なお正当な理由がなく必要な耐震診断を実施しない場合であって、震災時における救急消火活動、緊急物資の輸送及び復旧復興活動を支える緊急輸送道路の機能を確保するため特に必要と認めるときは、当該所有者に対し、期限を定めて、当該指示に係る耐震診断を実施すべきことを命ずることができる。
【要約】
耐震診断をするよう『指示』したのに期限までに実施しなかった建物については、都知事からオーナーに対して耐震診断をするように『命令』します。ちゃんと期限もつけますよ。
(罰金)
第十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 略
二 第十三条の規定による耐震診断の実施命令に違反した者
三 略
【要約】
耐震診断をするよう『命令』したのに期限までに実施しなかった建物については、50万円以下の罰金です。
いまのうちにやったほうが良いです。
助成制度も今年度までですから。
では、また!
はじめましての方へ
関連する記事
最近よく読まれている記事