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テナントに退去してもらわずにビルを耐震化したい💪 その2

前回は「テナントに退去してもらわずにビルを耐震化することはできるよ」という旨のことを書きました。今回はそれに続いて具体的にどんな方法があるのかを書いてみたいと思います。

 

共用部だけで補強する

これは前回のおさらい的な内容になるのですが、耐震補強の壁やブレースを付ける位置は必ずしもテナントに貸している占有部でなければならないということはないんです。

よく

耐震診断したら占有部に補強を設置した提案を受けたのですが、これだとテナントさんに退去や一次休業をお願いすることになり、とても実現できません

という話を聞きます。

が、補強の方法は必ずしも提案されたその方法しか出来ないというわけではないんです。そもそもテナント占有部に補強材を設置するような提案をしてくる設計者は『構造設計』という構造計算のスペシャリストみたいな方であることが多いです。こういった方々は普段の業務では全体を統轄する設計者から構造計画のみを請け負っているため、建物全体の使い勝手などを考慮することにあまりなれていないのです。

 

段階的に工事する

建物全体を一気に工事するのではなく、1フロアずつ工事していくことで耐震化が可能なこともあります。

たとえば5階建てのビルで1フロアだけが空いている場合、空いているフロアのみ耐震補強工事を行い、工事後は他のフロアから引っ越して来てもらいます。次は空いたフロアで耐震補強工事を行い、工事後に耐震補強工事が終わっていないフロアのテナントに引越して来てもらう。これを繰り替えすことで、テナントが退去せずにビル全体を耐震化させることが出来てしまいます。

ちなみにこの方法、テナントに退去をせまる必要がないことに加えて内装が新しくなる&建物が耐震化されるというメリットをテナントに提示することさえできます。

 


では、また!

 

 

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