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アキヒロワタナベの再生建築について

 既存を活かすからこその価値を😃

「検査済証なし」でも問題なし!ーとっくに確認申請を出す方法は整備されているー

※2016.11.13 少し表現を修正しました。

中古物件をリノベーションしようと思ったら
用途変更の確認申請が必要だってことがわかった。
いろいろ調べると、
検査済証がない建物では確認申請ができないと言われ、
リノベーションを断念した。。


こういう経験をされた不動産オーナーの方、建築業界の方、
たくさんいらしゃると思います。


もはやスクラップ&ビルドばかりはできない社会になり、
検査済証なしの建物でも確認申請を出す方法をきちんと整備するべきだ!
という要望は多いと思います。


馬場正尊(OpenA 代表)さんはこんなアクションまでされているみたい。

www.realtokyoestate.co.jp


馬場正尊さんの主張をざっくりこの記事からまとめると

  • 今後の日本社会では、これまでと同じように新築を作り続けるというのは非現実的だ。
  • これからの社会では、既存ストックの活用がより浸透するべきだ。
  • 「検査済証」なしの建物は、再生しようにも確認申請が受理されない。そのことが建物の再生を阻害している。
  • 「検査済証」なしの建物でも確認申請が受け付けられるように、法的なルートを整備すれば良いのではないか。


具体的な提案はこれ。
以下、上記の記事より引用です。

検査済証がない建物を用途変更する場合(確認申請をしたい場合)、確認申請の審査を行う民間審査機関が既存建物を検査し、当時の基準法に照らして適法かを現地審査。それを当時の適法状態にまで戻せば、検査済証に代わる証書を発行する、というルートだ。国はそれをオフィシャルなものとして承認する。


これがあれば、用途変更の確認申請を受け付けることが可能となる。
審査機関の新たな収益にもつながるし、行政の手続きや負荷もそれほど増えることはない。設計や投資をする企業にとっても手続きがシンプル。さらに建物の安全性も保たれ、不健全な状態にある建物を健全化する動機にもなる。この証書があればリノベーションもストックに対する不動産取引もやりやすくなり、活発化へと導くだろう。みんながちょっとずつハッピーなはずだ。


つまるところ、
”検査済証がないでも、遵法性の確認方法を決めたら、確認申請ができるようになるばい!”
ということですね。
ご自身の仕事が増えるだけでなく、審査機関、不動産業界、ビルオーナーなど
社会全体のパイが少しずつ増えるという視点も持ち合わせた
すごくナイスなご提案だと思います。


検査済証なしの建物で遵法性をチェックして確認申請をするルートは既にある

そもそもこのことは国交省の方でも議論されていたようで、
実はこのようなものが整備されています。


「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関等を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」について国土交通省HPより)



ちょっとこのガイドラインの冒頭を読んでみましょう。
以下、ガイドラインからの引用です。

わが国においては、年々、既存建築物の増改築や用途変更など既存建築ストックの活用に関するニーズが高まっている。


一方、建築基準法において、建築主は、工事完了後、建築主事又は指定確認検査機関による完了検査を受けて検査済証の交付を受けなければならないが、この検査済証 の交付を受けていない建築物が、平成11年以前では半数以上を占めていた。

こうした建築物では、増改築や用途変更に伴う確認申請に当たり、原則として既存建築物の部分が建築時点の建築基準法令に適合していることを確かめる必要があるが、 既存不適格建築物であるのか、違反建築物であるのかの判断が難しく、調査に多大な時間と費用を要する場合があることから、結果として増改築や用途変更を実現できないケースも見受けられる。

したがって、既存建築ストックを有効に活用する観点から、検査済証のない建築物の増改築や用途変更を円滑に進めることができるような方策を講じることが重要であることから、検査済証のない建築物について、その現況を調査し、法適合状況を調査するための方法を示したガイドラインを策定する。

いかがでしょうか?



つまるところ、国としては
”既存ストックの活用は必要やけど、昔の建物で検査済証あるのとか半分以下やし、検査済証がないでも建築主事が確認申請を受理できるようにせないけん。ちょっとその方法を考えてみたけん、良かったら今後はみんなこれでやってくれん?”という感じですね。


ガイドラインの効力は?

では、実際に確認申請を受け付ける立場にある人たち(=自治体や民間審査機関の建築主事)は
どのように受け取っているのでしょうか。


以下にいくつかの例をあげます。さくっと調べただけでもけっこう出てきます。

検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」の取扱いについて、静岡県からお知らせがございました。
詳細につきましては、下記のPDFをご確認ください。


ガイドラインを活用することにより、検査済証のない建築物の増築や用途変更の確認申請をスムーズに行って頂けるようになります。
一般財団法人 静岡県建築住宅まちづくりセンターHPより引用)

国土交通省「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づいた調査です。検査済証のない建物の増改築や用途変更の為の事前調査にご活用いただけます。
日本ERI株式会社HPより引用)

検査済証のない建築物の建築基準法適合状況調査は、国土交通省が平成26年7月2日に公表した「検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」に基づき、建築基準法の適合状況を調査するものです。
BCJは、指定確認検査機関として、当該適合状況調査業務を実施しております。
一般財団法人 日本建築センターHPより引用)

ビューローベリタスは指定確認検査機関として、本ガイドラインに従い、検査済証の無い建築物の建築基準法適合状況調査を実施します。
ビューロベリタスジャパン株式会社HPより引用)


基本的には国交省の方針に従うばい!”ということなのだと思います。
コチラに本ガイドラインにおける調査者として業務を実施する指定確認検査機関(H27.4.1時点)として届出をしている審査機関がリストアップされています)
ちなみに、このガイドラインの内容は各都道府県にも通知されています。


検査済証なしで確認済証を取得した事例

なんどか登場していますが、検査済証なしで確認申請をした事例をひとつ。
僕の事務所で手がけたものです。


他にもいろいろあるのですが、それらは
用途変更をしただけ(=確認申請をしただけ)ではなく、
新たに検査済証を取得していたりします。
検査済証なしの建物で検査確認済証を取得しているのですね。
その辺は、またいつか書こうかな。。


以上、今回は

  • 検査済証がない建物では、確認申請ができないとけっこう思われている。
  • 実際は、検査済証なしでも確認申請を受理してもらう方法は、既にできている。
  • 民間の審査機関も、このガイドラインに沿うところがいっぱいある。


というお話でした。


では、また!



※2015.9.28追記
このエントリをご覧になってご相談いただくケースが増えています。
具体的なご相談事項は

  • info@aki-watanabe.com

までどうぞ!