再生建築の全てを解説するブログ

 既存を活かすからこその価値を😃

再生建築の相談をするときに必要な事前準備📖

再生建築をしたいとご相談をいただいた時に、お会いする前にかならずあるものを準備していただいています。
それは、既存建物に関する資料です。リフォーム、リノベ程度であれば既存の建物だけを見て、その場で湧いたイメージやクライアントの要望や予算などでぱぱっと設計にはいることができるのですが、再生建築ではなかなかそうはいきません。


ちょろっとリノベするならともかく、「築数十年が経っている物件を長寿命化させてながく使えるものにする」とか「建物のスペックや仕様を根本から変えて別の用途や使い方にする」といった大掛かりな工事をする時は、

が必要であり、そのためには既存建物に関する資料を準備していただくことがまずスタートラインになるからです。 

 

目次:結局なにが必要なの?

 

相談時に必要な書類のリスト

だいたいいつも以下のような書類から、可能な範囲で準備をお願いしています。
太字は特に重要なもの赤字はプロジェクトの難易度を大幅に変えるものです。


建築図

  • 意匠図
  • 構造図
  • 設備図
  • 構造計算書


改修履歴

  • 意匠図
  • 構造図
  • 設備図
  • 構造計算書


行政手続き資料

  • 確認申請書
  • 確認済証
  • 検査済証
  • 台帳記載事項証明
  • 計画概要書
  • 謄本
  • 公図
  • 道路台帳
  • 定期報告書(建築基準法
  • 消防点検報告書(消防法)


ほか

  • 既存建物や土地の写真(内観・外観)


報告書

 

これだけの資料を全て保存しているという方はかなりレアなケースなので、あるものだけで構いません🆗

 

検査済証がある・ないでは難易度がけっこう変わる

200㎡m2を超えて用途変更にすると、用途変更という確認申請が必要になります。
この時、既存建物が既存不適格(当時は適法だったけれど、その後の法改正により現在の法規に適さなくなったもの)であることを証明しなければなりません(特殊建築物という飲食店などに限ります)。


この時、検査済証が残っていると確認申請がもの凄くスムーズに進みます。
検査済証なしの建物を再生して確認申請を出す場合は、建物の実測、既存図面の復元、躯体の調査、計画する上での法的条件整理など、けっこうな手間ヒマがかかります。
現在の制度上、検査済証というハガキ一枚の紙切れの有無で再生のしやすさが大きく変わるのです。

 

分からない時はとにかくあるもの全部見せてほしい

リストなんか作っといてなんですが、専門家でもないのに何がどの書類なのか分からない。
それでいろいろ迷ったりするくらいなら、全部持って行きましょう。
僕の事務所ではダンボール2〜3個くらいの書類が送られてきたりします。

 

現地調査もやるよ

 

ご相談をいただいてから最初の打ち合わせでは書類や写真を拝見しながら何をしたいとか予算はいくらだとかを聞いているのですが、だいたい2回目くらいで現地を見せていただくことが多いです。

図面や写真からは分からない情報があったりするので現地調査をしないことはまずないです。

あと、そもそも図面と現地が違ったりすると根本的な前提が覆っちゃうことになり、再生できると思ってたものが実は出来なかったり、大幅に予算が変わってしまったりします。そのリスクを避けるためになるべく早い段階で現地は拝見させていただいています。

 

いかがですか?
リノベやリフォーム、新築に比べると、
クライアント、設計者ともに少しだけ手間ひまのかかる再生建築ですが、
その分、いろいろと得られるメリットは大きいです。
そのあたり具体的にはコチラ↓↓↓をご覧ください。

リフォーム、リノベーション、コンバージョンと違うトコロ
再生建築のメリット1)内外装ともに新築同様の仕上がりにできる
2)新築の70%の予算でできる
3)用途の変更ができる
4)旧い建物でも耐震化させて安全にできる
5)廃材がでないのでエコ
6)新築では作れない形態にできる
7)価値のある遺産を残すことができる
8)テナント・居住者が居ながらで工事ができる
9)ボロ物件を転売できる不動産にできる その1
9)ボロ物件を転売できる不動産にできる その2
10)総合的に工事することでしか出来ない工事がある

 

 

では、また!

 

 

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