アキヒロワタナベの再生建築について

 既存を活かすからこその価値を😃

テナントに退去してもらわずビルを耐震化したい💪

テナントビルのオーナーにとって、耐震化は悩ましいもの。耐震補強する際にテナントさんへの影響は極力小さくしたいですから。

 

テナントには退去して欲しくない

家賃を滞納しているとかでもない限り、ビルを耐震化させるからといってテナントには居続けてもらいたいのがビルオーナーの心情。ビルを持つのも耐震補強をしたいのも全てはこのためなんですが、設計者にはなかなか伝わらない。みたい。

 

占有部に補強材を配置するという提案をされる

テナントに借りてもらっている占有部に、なーんの遠慮もなしに補強ブレースを設置する提案というあり得ない提案、耐震診断をしたテナントビルのオーナーさんの多くが程度の差はあれ経験あるかと思います。

オーナーとしては「いやいやそんな工事させてくれってテナントに言うんか?言うのオレやぞ?!テナントから『工事期間中の営業補償して下さい😏』とか言われるに決まっとるやないか!たぶん家賃の何倍もするぞ?...かと言って退去してもらうのもやっぱりお金払わないけんし、その後テナントが入る保証もないんやぞ....もぅイイこと全然ねーやんかっ!!」っていうのか本音だと思います。

 

少しくらい補強量が増えても、共有部だけで耐震化しよう

オーナーさんがテナントビルを所有している(ほぼ全ての)動機はテナントさんからの賃料をいただくこと。耐震化を検討しているのも「テナントに入居して欲しい」とか「退去して欲しくない」という理由のはず。

耐震化するためにテナントに退去をお願いするとか営業補償するとか本末転倒なことにならないように、構造的な最適案ではなく事業的な最適案を考えましょう。ちなみにこの2つは以下のように定義しています。

  • 構造的な最適解:より少ない部材(≒工事費&工期)で必要な耐震性能のみを確保する
  • 事業的な最適解:より少ない部材で賃料や入居率がより高くなるように耐震性能を確保する

テナントに迷惑をかけないために共有部だけで補強すると、ほぼ確実に構造的な最適案に比べて必要な補強量は多くなり、工事費や工期、設計料はアップします。が、営業補償に比べたら誤差みたいなもんです。

ただこれを考えてくれる設計者がかなーり少ないみたいですが😥

 

耐震診断をしている人はビルの「構造」しかみていない

占有部に補強材を配置するというトンデモ提案が出てくる理由は、ひとえに構造エンジニアだけで耐震診断をしているからです。

この業界の特徴として、ビルの設計者はある程度以上の規模になると「構造」と「設備」の設計を専門のエンジニアに外注します。「構造」の設計のプロフェッショナルである構造エンジニアさんたちは、ビルの機能性や使い勝手などを考えることは普段やりません。

耐震診断をするときも構造図という人で言えば骨だけを描いた図面のみをもとに耐震診断をしています。新築の設計をするときも構造図だけを設計しているからです。

 なので、構造エンジニアさんたちによって示される補強提案は、構造的には最適解なんだけどその他の面がまるでNGというビルオーナーからすると絶望的なものになってしまうのです。

 

絶望しないでセカンドオピニオンを聞こう

繰り返しになりますが、テナントビルの耐震診断では「テナントの入居があってナンボだ」というそもそもの前提がよく忘れられるです。が、実際は共有部だけで補強するとか空室の部分から段階的に工事するとか、いろんなやり方があるのです。ガッカリしないで!

 


では、また!

 

 

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