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就職に有利な資格リスト 建築学科編

 

 

結論、「二級建築士」です。

 

 

色々と民間の資格を受ける学生さんがいますが、

それ全部、全く意味ないです‼︎

 

 

▼考えられる反論と、それに対する反論を書いてみました。

 

 

資格とか持ってなくても、実質的に設計の仕事はできるよね?

 

いやいやいやいやいや笑

 

建設業界の制度をちょっと勉強すればわかりますが、

特定の規模・用途の建物は「建築士の設計・工事監理に沿ってやらないといけない」と決まっています。

 

資格なしでは、

設計の責任者になることも工事現場で指示を出すこともできません。

むしろ、それなりのプロジェクトだと一級建築士のお施主さんや現場監督なんてザラにいます。

そんな中で設計担当だけ無資格とか頼りなさすぎでしょ。 

設計者なのに無資格で肩身が狭くないのは30歳まで。

 

 

あと以外と大事なのが、建築士賠償保険。

 

あまり知られていないかもですが、建築士事務所は業務上のミスにより損害賠償責任を求められた時に備えて、専用の保険に入っています。

 

そしてもっと知られてないかもですが、

この保険、一級建築士にしかできない業務を他の人がやった場合は保険金が降りません。

 

なのでまともな会社では、「デキる無級建築士」は実質上のアシスタントです。じゃないと万が一ミスした時の損害が大きすぎる。

コンプラやリスク回避はますます重要視されていくのが最近のトレンドなので、

無資格の社員がプロジェクトをまわすシーンはどんどん減って行くでしょう。

 

てか部下が一級持ちで自分が無級なんて建築士事務所としておかしいでしょ。

弁護士事務所や税理士事務所で、

ボスや上司が(仕事ができるからと言って)無資格で信用できますか?

 

もちろんずっとアシスタントで良い人は資格なんて要らないし、

そういう働き方も全然アリ。

 

 

インテリア業界ならいらないよね?

 

設計事務所で一級持ちが当たり前な事は前述したとおりですが、

インテリアデザインの世界になると、建築士を持ってるだけでかなりのアドバンテージになります。

 

インテリアは日本語で「内装」と書くとおり、

「建築の側」から与えられた箱の中を彩る仕事であり、

箱そのものには一切手をつけられません。

 

実務の世界では

インテリアデザイナーさんから「ここの壁は動かせますか?」的な

問い合わせがよく来ますが、ほとんどの場合はできません。

理由を聞かれても、

「建築の側」の担当者としては説明を理解してもらうための基本的な前提知識があまりにも多く、

「内装の側」の人にが全てを理解できるまで説明することは(説明にかける時間の費用対効果を考えると)かなり難しいです。

 

が!

デザイナーさん側が建築士を持っていると「建築の側」の担当者も「このデザイナーさんは建築の基本知識を共有している人だ!」と認識するので、

けっこう話を聞いてくれたりします。

 

建築の基礎知識を持っている(と証明できる)デザイナーさんが相手だと、

それを前提として話ができるので、建築側ともつっこで話ができるのです。

 

もちろん、

一級建築士だからと言っていわゆる「仕事ができる」人かどうかは全く関係ありません。

みんなそれは知っているけれど、「この人は本当に仕事ができるだろうか?」なんていちいち調べる時間もないので、

最初はてっとり早く資格の有無で判断するのです。

 

現場監督だから要らないよね?

 

現場は設計図があって初めて着手できるのものです。全ての現場には必ず設計図書があります。

設計図書を読み取れないとまともに工事はできません。

 

現場サイドの人からすると「現場を全くわかってない設計者はカンベンして欲しい」ように、

設計者は「設計趣旨をまるで理解していない」現場には正直がっかりしてしまうこともあります。

 

設計図は現場を進めるためのものですが、

それ以上に施主の想いやそれに答えようとした設計者の意志がつまったものです。

それらを理解するのは最低限のスキルです。

 

 

社会人になって取るから今は要らない!

 

全然OKですがいつ取るかは決めましょう。

一級建築士の取得に必要な勉強時間はおよそ1,000時間です。

一年で取得を目指すのであれば1日3時間の勉強が必要となる計算です。

 

社会人になってそれだけの時間とエネルギーを本当にかけられるか?

よく考えましょう。

 

ちなみに試験元が公開しているデータによると、

最も合格者の数が多い年齢層は24〜26歳です。

合格者の6割以上が34歳以下です。

40歳を超える層はたったの2割しかいません。

 

▼ソース:建築技術教育普及センターウェブサイト

https://www.jaeic.or.jp/smph/shiken/1k/1k-data.html

 

 

若者が有利な試験である事は明らかです。

 

ぼくが資格学校で勉強した年も、

数十人ほどいたクラスメイトの中にポツポツと40代(それ以上?)と思しき人がいました。

その中で合格した人は、ぼくが知る限りひとりもいません。

とてもじゃないですが部下や子供を抱えて受かる試験ではないです。

自分のことだけを考えていればいい立場のうちにさっさと取ってしまうのが吉です。

 

ぼくの予想ですが、40歳を超えて合格した人は「学歴要件全くなし」のようなルートで合格したタイプが大半なのではないでしょうか。

建築系の学校を卒業することなく、アラサーぐらいから建築士を目指し始めたような。

 

 

建築学科を卒業して学歴要件を満たし、

20代半ばで実務要件も満たした人は、

まともに勉強すれば30代のうちに受かります。

 

 

他の資格いっぱい取った方が有利でしょ!

 

分かります。

たくさん資格を取ってブランドを構築して、少しでも就活戦線を有利に戦えるようになりたい。

 

ぼくの友達もそうでした。

そして集めた資格は全く役に立ちませんでした。

 

資格をたくさん揃えれると努力を可視化できる気もしますが、

そもそも大学生がいくつも揃えられる資格なんて(優秀な社会人からしたら)所詮はその程度なんです。

まだ自動車免許の方が役に立ちます。

 

 

その点!

 

建築士

・そもそも受験要件があるので、建築系の学校を卒業していない人は受験自体のハードルが高い

・国家資格であり、それなりの難易度がある

・独占業務(建築士にしかできない仕事)がいくつかある

といった点において、

真面目さと能力のパラメーターで学生が手に入れられるものとしては最適なのではないでしょうか。

 

 

就職先の会社から他の資格を取るように指示されたから...

 

その会社にいつまでいるつもりですか?

 

まさか定年まで勤め上げるなんて思ってないですよね・・・?

「終身雇用の崩壊」という言葉すら陳腐化しつつあるこの時代に。。。*1

 

そうでなくても、新社会人の3人に1人は3年以内に辞めるのです。

 

▼ソース:新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内の離職率の推移(厚労省

https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000556488.pdf

 

会社の指示で取得した資格は、その会社にいる間は多少の役には立つかも知れません。

でも、転職後はその資格で食べていけることはほとんどないです。

 

 

「インテリアコーディネーター必須の求人」とかほとんどないでしょ。

色彩検定保有者優遇!」なんて見たことありますか?

 

じゃあ「建築士資格が必須または優遇条件」の募集は・・・?

 

 

 

院生は一級にチャレンジしてもいいかも

 

そういえば大学院に進む人は、

来年から一級建築士の学科試験を受けられるので*2

チャレンジしてみてもいいかも。

 

何もせずにバイトしたりゲームばっかしてるより

ずっといいです。

 

くれぐれも

謎の民間資格を集めるくらいなら、

真面目に勉強して建築士を取った方が絶対に役に立ちます。

 

 

▼今回のブログの元ネタ 

 

 

 

 

 

では、また!

 

  

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▼ブログスタートのきっかけ

saiseikenchiku.hatenablog.com

*1:もっと言うと「定年」という言葉すらもはや昭和の遺産なんだけれど

*2:記憶に頼って書いてるので正確には自分で調べてくださいね