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 既存を活かすからこその価値を😃

リノベーションで確認申請を出すのが大変な理由ー既存の状態を把握するー

リノベってなんかお手軽なイメージで紹介されることが結構あります。躯体は既存利用だし、仕上げをちょろっと張り替えて、せいぜい水回りを更新する程度なんだから。なんなら自分でDIYやっちゃう人もいるくらいだし、プロがやるならカンタンでしょ?みたいな。


が、設計者としてはむしろリノベの方が大変なこともたくさんあるのです。



作図する前に調べることが膨大にある

物件にもよりますが、確認申請を出すことが想定されるとき以下のようなことを調べる必要があります。

  • 所在地
  • 都市計画区域の有無
  • 防火地域指定の有無
  • その他の区域、地域、地区、街区の有無
  • 道路の幅員や種別
  • 敷地面積
  • 用途
  • 建築面積
  • 延べ床面積
  • 建物の高さ
  • 許可・認定等


これはかなり地道な作業です。前のエントリで紹介した資料をクライアントにお借りし、大量の書類のなかから読み取っていきます。気がつく人は気がつくかもしれませんが、これらは建築確認を提出するときに必要となる情報なのです。



作図するのはリノベ部分だけじゃない


既存建物の情報を調べ終わったらいよいよ作図です。が、
リノベの設計をする前に、クライアントにお借りした図面を復元します。


そしてかなりの確率で既存図面と現地は整合しません。途中でリフォームされていたり、そもそも図面通りの工事がなされていなかったりするからです。それをひとつひとつ検証して、現地を正確に反映した既存図面を描きます。かなり地道な作業です。



作図量が圧倒的に多い


これらの作業を終えてようやく本来やるべきだった、リノベの設計に取り掛かれるのです。このことから分かるように、リノベでは

  1. 既存図面の復元
  • 現地と整合した既存図面の作成
  • リノベ工事の設計

という3回分の作図が必要なのです。



では、また!